活躍が多い介護職の理由

介護の職場は、新卒の社会人はもとより、子育てを終えた家庭の主婦や、40代で異業種からの転職組も目立っている。少子高齢化に伴い、親が田舎で寝たきりとなり、退職してuターンで新しい職場にする人もいる。親が認知症となれば、介護の負担が家庭に重くのしかかって仕事どころではなくなっている人もいる。今の日本では、いくら健康に気を使っていても、交通事故や薬害などによる機能障害や生活障害が起きかねない時代なのだ。また、雇用問題も介護福祉関連に大きく寄与している。20世紀末のバブル崩壊後の日本経済の低迷は、各企業が雇用調整に乗り出し、就職できない新卒者がフリーターで職に就けない状態が続いた。更に、リストラで職を失った中高年の人たちが新しい職場として介護福祉に流れたことも一因している。更に、東日本大地震をきっかけに、国民の間にボランティア活動の重要性が認識されるようになったことも、その遠因の一つと思われる。確かに、高齢者の介護や福祉問題が年々深刻になっており、この仕事を志す人たちが増えてきていることは時流にかなったことである。しかし、職業となると、個人的な情熱や経験の積み重ねだけで務まるものではない。利用者である高齢者は人生の先輩であることが多く、常に相手に対する尊敬の念はもとより、細かな神経と心遣いが必要なのだ。介護職の職場で40代 活躍が目立つのは、技術だけでなく、社会の荒波に揉まれ社会経験を積んだ人の心が必要なのだ。